シェアレストランで20店舗以上を展開。ローストビーフ丼専門店「鬼ビーフ」

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シェアレストランで20店舗以上を展開。ローストビーフ丼専門店「鬼ビーフ」のルーツ

「鬼盛り」が人気のインパクト大のローストビーフ丼をシェアレストランの形で続々出店し、直営店・加盟店を合わせ全国で現在20店舗以上を展開している、ローストビーフ丼専門店「鬼ビーフ」。自身でも様々な飲食業を営み、飲食業態開発やコンサルタントも行いながら鬼ビーフを展開している、株式会社A-PLAN会長 小山雅也さんに「鬼ビーフ」の原点について伺いました。

出発点は自分の店。様々なジャンルの飲食業も多数経験

―飲食店を経営しようと思ったきっかけは何ですか?
22歳の時に知人から「店の買い手を探している」という話があり、運よく公的資金を借りることができたので、その店を買い取り自分のバーを始めたのがきっかけです。借りた資金の返済もありましたし、1店舗だけでなく店舗展開をしたいと思っていたので、出店ノルマを決めて自分にプレッシャーをかけてがむしゃらにやっていました。
その後鉄板焼き屋を2号店として出しましたが、採算があわずに半年ほどで潰れてしまいました。でもその時のお客様でフランチャイズ展開の飲食チェーンをされていた方がいて、加盟料金ゼロで、もつ鍋店を始めたんです。これが上手くいって3店舗展開しましたが、その時提供してもらったフランチャイズのノウハウがシンプルでわかりやすく、今の鬼ビーフにつながる原点だったのかもしれません。
そこから5年間でラーメン店、ハンバーグ店、チーズケーキ専門店、とんかつ店、串焼き、串揚げ店など16店舗を展開することができましたが、飲食テナントだけでなく飲食の卸もしたくて、物販会社を興して空港に牛サンドイッチを卸したり、弁当屋もやりました。飲食に関する事が好きで、飲食の事なら手広く何でもやっていた時期ですね。

 

―独自店舗を持たれていたのに、シェアレストランに方向転換されたのは何故ですか?
シェアレストランができるという発想すらなかったのもありますが、実はその当時ちょっとした乗っ取りのような目にあったんですよ。店の出資をしてくれた人に騙されてしまって、店の権利を全て奪われて、3か月間で全店舗を失う形になってしまったんです。当時は若かったですし、自分のワキが甘かったんだと思いますが・・・。
しかし、一念発起とでも言うのでしょうか、有難いことに「もう一度飲食店を頑張れ!」と知人の飲食店オーナーが声をかけてくれたので、そこから4~5年はそのオーナーの飲食店で仕事をさせてもらっていました。

全てを失うことで開けたシェアレストランの道

―その事件があったからこその、シェアレストランだったのでしょうか?
そうだと思います。この経験で初めて「お金がない!」という究極の状態になりました。もう借入も全くできない、勿論元手もない、それじゃあ一体どうしたらいいだろう?と考え抜いた結果たどりついたのが、シェアレストランという業態でした。
飲食業を色々やっていると、バーや居酒屋などの夜の店が営業していない、遊ばせている時間が勿体無いなとは感じていましたが、そういう場所と時間を借りることができれば、飲食店が営業できるんじゃないかと気がついたんです。お金がなくてもやる気と腕があれば、「また飲食店ができる」という希望が湧いてきました。もし自分の店が何事もなく順風満帆に経営できていたら、シェアレストランを真剣に考えることはなかったかもしれないですね。

 

―実際にどのような形でシェアレストランをスタートされたのでしょうか。
構想を始めたのは3年程前で、実際に渋谷にシェアレストランの形で1号店を出店したのが1年半ほど前になります。知人に空き時間を貸したいというオーナーがいて、自分もローストビーフで何かできないかと思っていた時だったので、お互いお試しという形で手探りで始めました。

呼び込み看板のコピーと写真、店名は重要

―初めてのシェアレストラン開業にあたり、不安な事はありましたか?
渋谷店はビルの3階にある事が集客上デメリットになるかと思いましたが、ビルの1階入り口の目につきやすい所に看板が置けるので、心配はしませんでした。看板のキャッチコピーの見せ方でアピールできる自信があったんです。この看板は幾度かブラッシュアップはしていますが、基本的にはオープン当初とあまり変わっていません。その頃ローストビーフもブームが起こり始めていましたので、看板のローストビーフの写真で興味を持ってもらえると思っていました。
―「鬼ビーフ」という店名はどのように決められましたか?
渋谷出店ということが決まっていたので、インパクトのある、引きの強い言葉をチョイスしようと思っていました。メニューオプションでローストビーフ大盛を「鬼盛り」としましたが、肉を大盛で食べられるということが十分アピールできるよう、店名も「鬼ビーフ」に決めました。短時間営業が基本のシェアレストランにおいては店名のわかりやすさは重要だと思いますね。

シェアレストランのメニューはシンプルが絶対条件

―シェアレストランを始めた後、最初に苦労された点は何ですか?
シェアレストランでは基本的にバーや居酒屋など、主に夜だけ営業している店舗を借りる場合が多くなりますが、外装、内装、看板など、あくまでも主役はそのバーなんですよね。お店の看板自体を掛け替えることはできないですから。シックで薄暗い夜のイメージがあるお店で、ランチも営業しているんだという事をお客様に認識してもらうまでには苦労しました。ただ一旦認知してもらえば、リピーター様もどんどん増えていきましたね。

 

―メニューはどのように決められましたか?
メインメニューは、基本のオリジナルステーキソースの「ビーフ丼」と、オリジナルパクチーソースの「パクチービーフ丼」の2点のみです。サイズはS→M→L→鬼盛り、と量を変更することができます。

 

―2つしかないメニューにパクチーを選ばれた理由は何ですか?
自分がパクチーが好きだからというのもありますが、トッピング商材であるという点が大きいです。シェアレストランで提供するメニューを考える時には、必ず作業工程やスペースの制限を考慮に入れる必要がありますよね。1つメニューを増やせば、皿を始め備品がかなり増えてしまいます。できるだけ無駄をなくし、その分クオリティを高くしなければならない。そうするとメニューを絞り、盛り付けでのサイズ変更や、トッピングでバリエーションをつけるというのは絶対条件になってくるんじゃないかなと思います。

万国共通!観光客にも大好評のローストビーフ丼

―鬼ビーフ各店で、特徴や来客者の特色はありますか?
まず全店共通してお一人の方、または2名様の来店が多いですね。ロケーションによりかなり違いもあって、例えば原宿店だと観光客が多いので、団体で来られることも珍しくありません。実際やってみて驚いたのは、外国人の方も看板だけを見て立ち寄ってくれることです。「ローストビーフ」「肉」「大盛」というのを写真で見せているだけですが、万国共通の意思疎通ができているんでしょうね。海外展開についてお問い合わせもいただくので、色々解決しなければいけない問題はあるものの、視野には入れています。

 

―現在は20店舗以上と増え続けている鬼ビーフですが、目標出店店舗数は?
全国各都道府県1店舗以上、あくまでも目標ですが、300~400店舗を数年のうちに展開するのが理想です。直営店も経営していますが、直営店を増やすことはあまり考えていなくて、飲食業をこれから始めようという方、飲食のことはわからないという方へ、ノウハウを提供していきたいです。特に、社会復帰を考えている専業主婦の方にはぴったりの業態だと思います。

シンプルでなければ成り立たないシェアレストラン

―ご自身の店舗を増やすのではなく、シェアレストランで広めたいと。
はい。新しく飲食店を始めたいという方からの相談もよく受けますが、最初に資金の問題があり、その次に何をしたらいいかわからないという方がとても多いです。自分がそうだったように、一つ一つ学びながら独学で始めると実際に開店するまでは手間も費用も時間もかかります。でも場所とノウハウの提供があれば全て解決できますよね。
鬼ビーフの場合、極端な話、「来月店をオープンしたい」となったら、オープンまでに何もしなくてもいい位シンプルな仕組みです。食品衛生責任者は別途しっかり取得してもらいますが、オープン日に店舗に来てもらい、レシピとノウハウとセッティングの段取りを覚えてもらえばオープンできてしまいます。

 

―なぜそこまでシンプルにできるのでしょうか?
全てにおいてシンプルでなければシェアレストランが成り立たないからです。ランチ営業が終了したら、時間内にキレイに片づけて夜営業するお店に引き継がなければいけない。そうするととても複雑な事はできないです。仕込みを極力減らしたメニューを考えたり、片付けが少なく済んだり、廃棄が少ないエコロジーなメニューを選ぶのが、シェアレストランで大事な事だと思います。

 

―これからシェアレストランを考えている方へメッセージをお願いします。
この20年、ラーメン系、居酒屋系、カフェ系など様々な飲食業を経験してきました。自分の経験で得たノウハウを、これから飲食店を始めようとしている方へ、近道として提供していければと思っています。そしてこの仕組みが早く定着して、雇用されない生き方の一つとして選んでもらえるといいなと思いますね。
今はローストビーフ丼の⻤ビーフのみですが、専門店業態を同時並行で開発しており、開業する方がいろんな業態から選択できるようにしていきます。
あとは、やはり飲食店のやりがいを是非知っていただきたいです。飲食店経営は楽しいという事や、頑張れば儲かる事も伝えていきたい。そこで自分も皆さんを後押しできれば嬉しいですね。

店舗情報

  • 鬼ビーフ 渋谷店
  • 住所:
    東京都渋谷区宇田川町12−7 エメラルドビル 3F 渋谷駅 ハチ公像から徒歩5分
  • 営業時間:11:00~21:00
  • 鬼ビーフ渋谷店
  • 鬼ビーフ