うどん店終業後にオープン!チュニジア風地中海居酒屋「JASMIN(ジャスミン)」

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シェアレストランではランチ時間を借りるのではなく、お昼や午後で営業終了するお店を借り、夜のみ営業するスタイルも増えてきています。
チュニジア出身のIlyes Loussaief(以下エリアス)さんは、「カレーうどん 千吉 岩本町店」の終了時間後から夜にかけて営業する地中海居酒屋「JASMIN(ジャスミン)」を2018年6月20日にオープンしたばかり。オープンの数日前に、来日の経緯やシェアレストラン開業までの道のりをインタビューしました。

チュニジア国内に未来を見いだせず、国外へ

―チュニジアから日本に来られたきっかけは?
オーストラリアへの旅行が目的で、中継地として日本の友人宅に2か月程泊まらせてもらっていたんです。
その時に今の奥さんと出会ってしまったので、そのまま結婚して日本に住むことになりました(笑)。
私の両親も、日本人と結婚する事や、日本に住む事について特に反対することもなかったので、そのまま現在に至っています。
―チュニジアでは、法律を勉強されていたと伺ったのですが。
チュニジア大学で学んでいて博士号も取得しました。日本に住むことを決めたのは、チュニジアでは2011年に起こった革命、“アラブの春”の前なんです。革命前の国内に自分の未来が見えなかったし、あの当時は国内で働きたくはなかったですね。

当時の大学の同級生たちは今チュニジアの政府で働いている人もいるし、“アラブの春”がもっと早く起こっていたら、私もチュニジアを出ることはなかったかもしれないです。
でも今の生活を選んで良かったなと思っているし、幸せなので、後悔は全くしていません。

料理の道へのきっかけは東日本大震災チャリティーバザール

―日本に来て最初に始めた仕事は何でしょうか?
食品の輸入卸販売です。その最中、東日本大震災が起こって、初めてチャリティバザールに参加することになりました。
日本でいうお祭りのようなものをバザールと呼びますが、料理するのは好きで毎日やっていたので、輸入食材を売るだけでなく、
自分で料理をつくって振舞ってみたんです。
そのチャリティーバザールには野田前首相の奥様も来てくれました。このチャリティーをきっかけに、チュニジアを始めとしたアラブ諸国や大使館のイベントやバザールに参加することが多くなっていきました。

その時やっていた輸入食材の店の近くにはイスラム教の礼拝堂のモスクもあったので、
金曜礼拝の時にケバブやケフタ(ミートボール)タジンもつくって振舞うようになったんです。
その頃、お米ではなくてクスクスでオリジナルパエリアをつくってみましたが、珍しいということもあって人気でした。バザールでもモスクでも、自分でつくった料理を皆さんに喜んで食べてもらえるし、色々な方々と交流もできて楽しくて、
自分でチュニジア風地中海料理を振舞う店ができたらなと思い始めた原点になっています。

様々な国の文化がミックスされた地中海料理

―チュニジア風の地中海料理とは具体的にどんなものでしょうか?
チュニジアという国は、場所的にはアフリカ大陸の北部にありますが、地中海を挟んでイタリアととても近くて、
昔はイタリア人が多くチュニジアに住んでいたんです。日本でいうチャイナタウンのように、チュニジアにもイタリア人が住むシシリアタウンがあったり。2008年には、パスタの一人当たりの消費量世界一がチュニジアだった位です。パスタやパンが主流で、あまりお米は使わないのも特徴ですね。イタリア料理を始めとしたヨーロッパや、アフリカやアジアといった周辺の国それぞれの特色が全部ミックスされているのが、チュニジア風地中海料理なのかもしれません。

おつまみ感覚のタパスのような料理提供を目指して

―なぜシェアレストランをやってみようと思ったのですか?
一番は資本金の問題がクリアできるから。1から店を開くよりは、シェアレストランのほうが簡単に始められます。それに私は外国人ですから、シェアレストラン担当の方にわからない事を随時相談することができる点は心強くてとても助かりましたね。

それに「地中海居酒屋のようなコンセプトの店をやりたい」と思っているけど、成功する保証はないし、まず試してみたかったというのも大きいです。

―提供するメニューはどのようなものを考えていますか?
日本で地中海料理というと、中野の「カルタゴ」や、新大久保の「ハンニバル」が有名。どちらも美味しいお店で足を運びますが、私がやりたいのはレストランではなく居酒屋なので、イタリア料理でいうタパスのような、おつまみ感覚の地中海料理を出すことをイメージしています。基本的には、料理、飲み物、お酒など、全て地中海産のものを出せるようにしたいですが、それはこれから試行錯誤していければと思います。
―お店の名前はどのように決めましたか?
チュニジアを代表する花の名です。以前やっていた輸入食品の店も「JASMIN(ジャスミン)」でした。店の看板のイメージは、実際にチュニジアの道路に表示されているストリート名の標識に似せてつくったもので、とても気に入っているんですよ。

苦労した食品衛生責任者取得とSquare (スクエア)審査

―オープン前に大変だった点はどんなところですか?
食品衛生責任者の取得が難しかったですね。早く取得したいと思うと講習会の席が埋まってしまっている事が多かったので、これだけは早くから準備するのがいいですね。
資格の学習面では言葉の問題もありますが、ウェブサイトに文章が載っている場合は、Google翻訳などがあるので大体の意味がすぐわかり、問題ありませんでした。それから、Square (スクエア)(※スマホやタブレットにセットすることで決済用POSレジにすることができるICカードリーダーを使ったシステム)を使いたいけれど、シェアレストランの場合は住所をオーナーのお店で申請することになりますよね。
だからSquare 側が審査する時に、地中海居酒屋で申請をしているのに、実店舗の住所はうどん屋じゃないか?と思われるかもしれないんです。
きちんと審査が通るかなっていう不安はありましたが、これも問題があったらシェアレストランの担当の方に細かい説明をしてもらえるとのことで、一安心かな。
―お店のオープンにあたって、言葉の問題は感じられますか?
以前、区の日本語講座で2年程日本語レッスンもしていましたし、家族も日本人なので普通の会話や仕事上の問題はあまり感じませんが、日本語はやはり敬語や漢字などがとても難しいですね。早口だと聞き取るのもまだ難しい場合もあるし、店をやっていく上では電話対応などでも間違いがないようにしたいので、日本語の勉強もまた再開する予定です。

料理だけを仕事にするのが夢

―現在、ほかにお仕事はされていますか?
平日は物流の関係で横浜の港でコンテナのチェックの仕事をしています。コンテナの中身を全て出した後、不備がないかを確認するんです。港の仕事は朝早いイメージがありますが、私の仕事は8時台に仕事がスタートするので、平日は朝5時頃起きて向かっています。それと平行して地中海居酒屋を始めますが、営業時間は平日17時~24時までを考えています。
―週に何日営業されるかにもよりますが、ハードスケジュールになりますね!
そうですね、まだ確定はしていませんが・・・!友人にも店番を手伝ってもらおうと思っていて、例えば閉店業務は友人に任せる日を設けたりして、なるべく多く営業したくて。頑張って店がうまく軌道にのるようにして、お店だけで働くことができるようにするのが夢です。将来的にはシェアレストランで複数店舗を運営したり自分だけの店を持てたらとても嬉しいですね。

店舗情報

  • 地中海居酒屋 JASMIN(ジャスミン)
  • 営業時間:平日17時~24時営業予定。
  • facebookページ準備中
  • オーナー店舗:カレーうどん 千吉 岩本町店
  • 住所:東京都千代田区岩本町2-15-8
  • 参考:
    食べログ