間借り飲食店 成功への道「間借り店の工夫①」業種編

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マスコミに取り上げられる機会も増えて、シェアレストランは日々、増加しています。

時間借りでもあるシェアレストランは営業時間が短いです。また、共用で利用料が低いため、毎日営業しなくとも採算ベースに乗せる事も可能です。そんな自由度の高さが、色々な食のマニアや個性的なタレントを呼び込んでいます。一方、自由と引き換えに様々な制約も多いのがシェアレストランです。そんな制約を皆さん、どんな創意工夫で乗り越えているのでしょうか?

ここでは「業種」「業態」「価格」「販促」「ブランディング」に分けてシリーズで間借り店の工夫をお届けしたいと思います。

第一回は、「業種」~専門性の追求についてです。

「業種」というのは、平たく言うと「ラーメン屋」「寿司屋」とか「居酒屋」など、何屋かを指します。間借り店はどんな業種がどんな営業をしているのでしょうか?店舗数で一番多いのは、カレーです。それもスパイスカレーのようにこだわりの営業スタイルの方が間借りブームをけん引しています。

シェアレストランの制約として、「営業時間」「厨房スペック」「保管スペース」そして「看板」があげられます。カレーはランチが強い業種で短い営業時間で集中的に集客が可能です。また、必ずしも業務用の厨房スペックを必要とせず、しかも省スペースで開業できます。

ここまでは普通のカレー屋さんでもいいのですが、問題は飲食店の命、看板です。

どうしても、露出が弱くなってしまうケースが多いです。ここで、専門性の高いスパイスカレーは、看板的な不利をものともせずにファンを集客する工夫をしています。

代表的な例としては、一切の水を使わずに作り上げるキーマカレーに魯肉飯を併せるあいもりを開発して、5階にも関わらず行列店にした「ケニックカレー」や、1食ごとにホールスパイスから丁寧に作り上げ、”香りを食べる”と言われている「青藍」など、こだわりまくって突き抜けた名店があげられます。

「ケニックカレー」

シェアレスマガジン:あの人気テレビ番組でも大絶賛!シェアレストランのパイオニア「ケニックカレー」

「青藍」

食楽web:スパイスの威力がハンパない!!高円寺『青藍』の“香りを食べるカレー”の超絶テクニック
(現在、間借りから実店舗へ移転されました)

お二方ともに、「保管スペースが少ないので、メニューアイテムを絞り尖らせる」「ストックが厳しいので、作り置きをせずに一つ一つ丁寧に手作りして出来たての状態で提供する」そして、「看板が弱いので、吸引力のあるメニュー設計を行う」といった工夫をしているようです。

制約を逆手に取り、「バラエティ」や「プライス」ではなく、「オリジナリティ」や「クオリティ」で勝負する。そして、その専門性の高さが口コミで広がり人気を生み出す。
間借りレジェンド店がここまで人気になったのはいろいろ選べて財布に優しい!…からではありません。専門性を研ぎ澄ました結果、人気店は生まれたのです。

そんな間借りレジェンド店の方法論は、カレーはもちろんですが、別の業種でも活かせそうです。

「ラーメン屋」は、ある程度の厨房スペックがあれば、この考え方は非常に参考になります。ただし、店舗で10時間とかガラガラ焚くのは難しいので、他のキッチンでベースの出汁を作って運ぶか、カレーに近いオペレーションの混ぜそばや汁なし担々麵といったメニューで勝負する方が多いように思います。

「丼屋」や「〇〇定食専門店」なんかも同様の考え方でオリジナリティを出せれば面白いですよね。素材命のローストビーフ丼や牛カツ専門店などの業種は各地に出現しています。「サンドイッチ屋さん」や「パンケーキ店」もアイデア次第で何とでも出来そうです。

「かき氷屋さん」もこだわりの間借り行列店が多い業種です。逆に「総合和食」や「中華」といったなんでも揃う品数豊富な業種はスペース的にも設備的にもハードルが高く間借りの実例は少ないようです。

もう少し業種ごとに「専門性」を高めている例を見てみましょう。

「アイスパスタ」

パスタ屋さんです。韓国で人気のメニュー「アイスパスタ」をそのまま店名にしています。海外のものを最初に持ってくればオリジナリティを出せる事例ですね。

日本にそのブームが来た時にはパイオニアとして、引っ張りだこになるでしょう。ここは、トマトベースのパスタ専門店でもあります。

シェアレスマガジン:軒先レストランで出店の寺島速人さん「恵比寿で頑張っています!」

「まっちゃんカレー」

こちらはそのこだわりもそうですが、アイテムを絞ることで専門性を高めた事例です。カレー専門店は世の中に山ほどありますが、キーマカレー専門店にすることで一気に専門性を高めました。

シェアレスマガジン:話題の間借りカレー店「まっちゃんカレー」のシェアレストラン成功例

「マリデリ」

メシ通:「ブッダボウル」には人生に必要な野菜がつまっている【恵比寿】

メニューはアメリカで人気というブッダボウルだけ!というか、ブッダボウルって何!?多くの方はそんな反応と思いますが、この方はブッダボウルの本まで出していて、雑誌にもちょこちょこ出ています。普通のカフェをやって雑誌に取り上げられるのはコネか奇跡がないと難しいですよね。こちらも、誰もやっていないことをやって、話題になった事例でした。

このようにどんな業種だとしても、専門性の高い店、オリジナリティ溢れる店はテレビや雑誌などメディアで取り上げられる機会も多いです。逆に言うと、そういった店は「メデイアで取り上げられるような努力をしている」とも言えます。看板の露出が弱いシェアレストランにとって、メディアへの露出は非常に有難い話です。

アイテムを絞りこみ、浮いたエネルギーを使って、そのメニューをとことん極めるのも手ですし、海外の人気メニューを単品で持ってくるのもアリ、世の中にないものを出してみるのも面白そうですね。仮に失敗しても痛手が少ないのがシェアレストラン。ご自身のアイデア、市場での反応を見てみたいと思いませんか?


シェアレストランのブームが今後、全国に広がった時に、主婦や定年退職者、外国人といった今まで飲食業に縁のなかった方々が開業されると思います。その時、従来の飲食業とは全く違った切り口の新しい飲食店が生まれるのかが楽しみです。個性的で見たことも聞いたこともないような、想像も出来なかったような間借り飲食店を期待しています!