間借り寿司店経験後、神田に実店舗オープン!魚と日本酒のマリアージュが楽しめる「鮨と酒 魚伸」

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軒先レストランで「ヤドカリ寿司 魚伸」を間借り出店していた八代さん。前回の取材後、当初からの予定通り2018年11月1日、実店舗である「鮨と酒 魚伸」を神田に新規オープンされました。魚と日本酒の至福のマリアージュが神田価格で頂けるという「鮨と酒 魚伸」のコンセプトや、実店舗オープン前に間借り寿司店を経験されて感じられたことなどを、オープン直前のタイミングでお聞きしてきました。

■日本の食のアイデンティティである「寿司」を海外に伝えたい

‐ 間借りよりも先に実店舗のオープンが先に決まられていましたが、寿司店をやろうと思ったのは何故ですか?

僕自身食べたり飲んだりするのが好きで、お金と時間に余裕ができたら、将来は飲食店をやってみたいと思っていました。飲食店の中でも寿司店をやろうと思ったのは、「海外」というのが自分の人生の重要なリンクとして一つ存在するからです。

学生時代から、将来子供が手を離れたら夫婦で海外に住みながら転々としたいという思いがあって、海外で日本人として飲食店をするにはと考えたら、「寿司」しかないだろうと思いました。寿司づくりを学ぶ前は、語学スクール運営もしていましたが、実際外国人の方に寿司を振舞ったりすると、とても喜んでもらえるんですよね。日本の食のアイデンティティを海外へ伝えることができるのも大きな動機のひとつです。

‐ 旅行ではなく、あくまでも海外に住んで寿司文化を広めたいということでしょうか。

そうです。バックパッカーもしていたこともあります。でも韓国に2年位住んでみて思ったのが、旅行と住むのではかなり違いがあるなと。住んでみないとわからないことが多いので、できるだけその土地に住んでみたいんですよね。ただ色んな場所に興味があるので、ずっと同じ土地には住まずに、2年位住んだら次の場所へと移り住んでいけたらと思っています。

それで決意をし、「寿司アカデミー」で2か月間勉強、その後寿司店で1年程修行をしました。

■魚と酒の至福のマリアージュを、神田価格で提供

‐ 神田に出店を決めた理由は?

神田に決めたのは完全に巡りあわせですね。物件自体は約1年位かけて探しました。僕が住んでいるところが神奈川なので、横浜も含めた山手線の西側のターミナル駅で探していたんですが、条件にあうところがなかなか見つからず、条件を変えるか探すエリアを広げるかで考えたときに、エリアを広げようと思い、見つかったのが神田のこのお店だったんです。

‐ お店のメニューはどのようなものになりますか?

ランチは握り盛り合わせと海鮮丼、その他追加でお寿司を提供します。夜はお任せコースですね。

‐ お店の特色、イチオシはどんな点ですか?

魚と酒というのがテーマで、魚のほうは僕と、ベテランの職人さんと二人で提供します。その方は職人歴30年で、私が働いていた寿司店で、私が声をかけて来てもらいました。

お酒は、僕自身はお酒のスペシャリストではないんですが、ご縁があって「日本酒ソムリエ ~皆を笑顔にする至高のお酒~」という小説を角川さんから出されている作家さんにプロデュースをお願いできることになったんです。その小説に出てくるソムリエの出すお酒が、うちのお店で飲めるようになっています。僕も日本酒について知らない事が多く、とても色々なことを教えていただきました。

魚と酒の抜群のマリアージュが、神田価格、抜群のコスパで楽しめるというのが売りになるかなと思います。競合店も多いのですが、魚と日本酒は最高にマッチするものだと思っているので、それぞれのエキスパートによる掛け合わせの妙を是非楽しんでいただけたらと思っています。

■実店舗オープンにあたって大変だったこと、楽しかったこと

‐ 現在は実店舗オープン直前ですが、これが大変だったという点はありますか?

基礎工事など、自分に知識がない事は良し悪しの判断ができず、難しいなと思いましたね。事前に工事業者さんに見積もりをとって比較検討することはできますが、この業者さんにお願いすると決めてからも、お互いに予期しない変更点などもある程度出てきました。

あともう少しで引き渡しなのですが、そこからオープン日までもまだ課題があって、初めて使う厨房に慣れなければなりませんし、オペレーションの事もあります。オープン日まではプレオープン日を設けて、知人に来てもらってできるだけ慣れるようにしたいです。

‐ 逆に、楽しみなことはありますか?

お皿ひとつとっても自分で決めていく訳ですが、こだわればキリがないものの、やはりひとつずつ「これだったらお客さんが喜んでくれるかな、驚いてくれるかな」と考えている時は楽しいですね。料理でも、決められたメニューをただつくるのではなく、この魚を入れてみようとか、もう少しここに飾りを入れて見せたらどうだろうとか色んなことを考えますが、それを考えている時が一番楽しいかもしれません。

まだ今は準備段階ですが、そういった工夫をして、お客さんに実際に食べてもらって、お客さんがその事に気づいたり、反応してくれた時に、やりがいも出てくるのではないかと思います。

‐ 実店舗オープンにあたっての集客方法は?

SNSを基本に考えていますが、チラシなども製作中で配布する予定です。新規のお客さんはもちろん、リピーターがついていかないと飲食店経営は難しいと思います。来ていただいたお客さんに対して、次の来店につなげていくような仕組みを考えて実施していくつもりです。

■実店舗オープン前に、間借りを通して得た経験とは

‐ 八代さんは、実店舗のオープンが先に決まられていて、その間も腕をなまらせないようにと、軒先レストランンを通して間借り寿司店を経験されました。

間借りは初期費用もかからないですし、実店舗の前に経験できた事は間違いなくプラスでした。間借りの最大の良い点は、雇われて仕事をしている時の仕事の幅の狭さや意識と全く異なる体験ができるという事だと思います。

1から10まで自分で判断することになりますが、僕自身は特に仕入れを1から経験できたことが良かったです。他の店で働いている時は、店主や先輩について市場をまわったり、店に到着した魚をそのまま下ろしていたんです。間借りなので仕入れる規模は小さいですが、毎日自分で市場に行き、旬のものを選んだり、気候や取れ高などで変わる値段の相場も把握できるようになりました。

例えばアジ1匹にしても、それで何人分のお寿司のネタができるのかとか、その場合はこの単価で値段設定をしないといけないな、という事がわかったのは大きかったです。それまでもわかっているつもりではいましたが、実際自分自身でやってみたら大きな違いがありましたね。

‐ これからご自身のお店を持ちたいという方に、アドバイスはありますか?

お店をやりたいと思っても、殆どの場合100%成功する補償はありませんよね。でも間借りの場合は投資もほとんど要らずリスクも少ないので、すぐに実践しやすいと思います。間借りであっても実際にお店の運営をやってみるとお客さんの生の声がきけますし、その値段や原価でお店をやっていけるのかというのもわかってきます。僕の場合は先に実店舗開店が決まっていましたが、これからの方は実店舗の計画前に、間借りでワンクッション入れる事はおすすめです。

でも間借りをするにあたって、普通は貸してくれる店主と自分の間に信頼関係ができていないと難しいじゃないですか。でも軒先レストランのようなサービスを使えばそこもクリアできますし、少ない費用で経営を学べるのは凄い事だと思うんです。軒先レストランの担当の方にも色々相談させて頂きお世話になったので大変感謝しています。

僕自身、寿司アカデミーで勉強している時に、インプットはできてもアウトプットができず、練習的な場が欲しいと強く思っていました。軒先レストランのようなサービスは、修行中の方や実践の場が欲しい方にはとてもマッチしたサービスだと思います。今後さらに認知も広がっていけば、間借りからトライする料理人さんも増えるんじゃないでしょうか。


■店舗情報
店舗名:鮨と酒 魚伸
住所:東京都千代田区内神田3-10-10
電話番号:03-6875-2948
営業時間:11:00~14:00/17:00~23:00
SNS:TwitterInstagram


■軒先レストラン
軒先レストランとは、飲食店の使われていない時間を間借りできるサービスです。
これから飲食店をはじめたい開業希望者が、既存の飲食店の空き時間を利用して開業できる間借りレストラン(シェアレストラン)サービス。
飲食店を貸出たい方も登録して貸出することもできます。
軒先レストラン公式HP:https://business.nokisaki.com/cp/restaurant