カレーおじさん\(^o^)/の新連載「間借りカレーdiggin’」第二回は実店舗が早くも話題の「カリーザハードコア」です!!

2019
大久保駅近くの間借りカレー店としてスタートし、その独創的すぎるスタイルでファンを獲得した「カリーザハードコア」が4月末に雑司が谷で実店舗オープンしました。折しも緊急事態宣言真っ只中の逆風の中であえて開店した理由や、その経緯なども含めてお話を聞いてきました。

店主の喜多さんは元声優。後にいわゆるサラリーマンになったのですが、一般的な社会生活に馴染めずに悩んでいたそうです。そんな中で声優時代に自分のイベントで出したカレーが好評だったことを思い出し、それで勝負をかけてみようと一念発起。ただ資金もなかったので、自らが足繁く通っていた居酒屋のオーナーに間借りさせてもらえないかと直訴し、快諾してもらって開店したのが2020年の1月のことでした。 喜多さん(以下、喜)「去年の1月はまだコロナもそれほど騒がれていなかったので、何とか最初のお客さんを掴むことはできたんですが、その後の緊急事態宣言からは本当に大変で。ギリギリだったんですが、最初に来てくれたお客さんや、そこからの広がりでここまでやってこれました。」

カレーおじさん\(^o^)/(以下、カ)「それにしてもまた緊急事態宣言の中での実店舗開店となったわけですが、何故この時期に開店に踏み切ったのですか?」

喜「元々間借りから1年くらいで自分の店を開くというのは決めていたんです。ですから物件は探し始めてて。結果的に少し時期はズレてしまったんですが、物件探している中で今こういう時期だからこそというか、こういう状況じゃないと空いていないだろう良い物件があったり、条件も通常時より良かったりしたんです。これがこの先コロナ禍が落ち着いた頃だったら絶対に見つからないよなというものを見つけることができたので、逆境ではありますが、こうなったらやってやろうという思いで開店したんです。」 昨今の政府の対応を見ると、飲食店が狙い撃ちされている印象を受けます。外食をするなという声もありますが、一人で黙って食べれば問題はないわけです。お店もパーテーションでしっかり仕切ってあり、カレースタンド形式ですから一人で行ってサクっと食べて出るスタイル。外食全てが悪いというわけではありません。
カレーももちろんいただきました。 レギュラーカレーと限定カレーのあいがけ「あいがけマトンハードコア」です。これにナスのマッシュも追加してオーダーしました。
レギュラーカレーはドイツ料理のフリカデレとシュマルツをカレーにアレンジした独創的すぎるもの
これに鶏の手羽元も入り、肉と油にまみれたカレーでありながら、重すぎずにペロっと行けてしまうという絶妙な仕上がり。純粋に美味しいです。

一方マトンはパキスタン的なアプローチで王道の現地系カレー。重厚なマトンの旨味と引き立て役としてのからし菜のバランス感。これまた美味しい。
ナスのマッシュはバングラデシュ的でもちろん美味しい。

異端なカレーが有名なお店ですが、オーセンティックなものも当たり前のように美味しく仕上げているあたり、シェフの腕の確かさを感じます。
その個性は健在であり、ますます磨きがかかっていると言えるでしょう。 カ「相変わらず凄いカレーですね。美味しかった。ごちそうさまです。」
喜「ありがとうございます。」

カ「お店も行列の盛況ぶりで、これからがさらに楽しみなのですが、実際にご自分のお店を持ってみて、間借りカレーをやっていて良かったと感じる所や、あるいは気を付けないといけない部分など、教えてもらえますか?」

喜「僕の場合は間借りカレーやってて良かったと思うことだらけです。間借りって借りる時間が限られているじゃないですか。だからこそ、その限られた時間の中で作業を効率化していくということが自然にできるようになりました。そのおかげで実店舗開店で色々とやらなければいけないことは山積みだったんですが、焦らずにやることができたんですよ。」

カ「なるほど。通常の飲食店で修業するとなるとそのあたりも教えてくれるかもしれませんが、そのやり方はあくまでそのお店のやり方であり、全ての方にとってやりやすい方法ではないかもしれないと僕も考えたことがあるんですが、間借りやりながらだったら自分で考えないといけませんから、その中で自分の方法を確立できたというのはとても良いことですね。」

喜「そうかもしれません。あと気を付けないと行けない部分なんですが、やっぱり貸してくれているお店との信頼関係です。特に自分の場合は掃除と片付けを丁寧に、しっかりとやりました。自分の営業が終わった時に、完全に元の状態に戻すのはもちろんですが、それ以上に掃除もしっかりやっていれば、貸して良かったと思ってもらえるじゃないですか。なので、そのあたりは丁寧にすることを心がけました。」

カ「それは素晴らしいですね! 以前別のお店でカレーのお店に間貸ししたのに片付けが全然できていないのでもう貸さない事にしたという話を聞いたことがあります。これは間借りカレーという文化の為にも、間借りカレー店をやる人には覚えておいて欲しいことですよ。他に何かこれから間借りカレーをやろうと考えている人に伝えたいことはありますか?」

喜「そうですね。間借りカレーって結構横の繋がりがあって、自分も何かと助けられたというのもあるので、もしわからないことや聞きたいことがあれば食べに来て欲しいですね。その際に聞いてくれれば、自分が思うことは伝えられるので。」
カリーザハードコア。ハードコアとは中核という意味ですが、音楽や芸術においては元々の表現をより過激に荒々しくしたものという意味が含まれます。僕も音楽においてハードコアと呼ばれる世界と近い位置にいたことがあるのですが、音楽は確かに激しいものの皆さん横の繋がりを大事にしていて、仲間を大切にするという気持ちが強い人が多いように思います。そして間借りカレーの世界でも、近い雰囲気を前々から感じています。

メジャーに対するインディーであり、メインストリームに対するオルタネイティブな存在だからこそ、個性を磨き、貫き、同志と連携して新たな動きを生み出していくという部分があるのが間借りカレーの面白い部分のひとつです。
そんな意味でもまさにハードコアなお店だなと感じました。
我流だからこその唯一無二のカレーであり、そのようなお店になっていくのだろうなと、今後がさらに楽しみな存在です。

店舗情報

店 名   カリー・ザ・ハードコア(curry the hardcore)
住 所   東京都豊島区雑司が谷2丁目26−6
営業時間  17時00分~20時00分
定休日   月曜日・火曜日
オープン日 2021年4月28日
https://twitter.com/c_t_hardcore 2006年から毎日カレーを食べ続けているカレーおじさん\(^O^)/
TBS「マツコの知らない世界」ほか多数のメディア出演、カレー記事の連載、カレープロデュースまで行うカレー偏愛家。
http://akinolee.tokyo/?page_id=1380
「間借りカレーdiggin’」は毎月15日に掲載いたします!!